ぽりあねすぶろぐ

ポリアネスと夜ごパン(仮)

ブログタイトルは適当です

深夜路地裏、スーツケース

深夜0時、誰もいない道でスーツケースを転がしてる人を見た。

「あ、旅行帰りの人だ」と思った。


旅行の帰り道ってなんだか、他にはない独特の感情に支配される。

特に複数人で行った旅行で、空港や駅、もしくは家の近くで、連れと別れて1人になってから家に辿り着くまでの数分、数百メートル。

楽しかったことを思い出してほくそ笑んだり、疲れすぎて一刻も早くベッドに飛び込みたいと早足になったり、明日からの仕事のことを思い出して憂鬱になったり。

その中でも大半を占めるのは、見慣れない街で過ごした後に、見慣れすぎている街に囲まれる独特の安心感だろう。帰り着くのが深夜であればなお、それは強まる気がする。


一言で言えばエモいのだ、旅行の帰り道は。


僕はどちらかといえばインドアの方で、旅行を目的とした旅行にはあまり行かない。だいたい、何かしらのイベントや行きたい場所があって、目的のもの以外は行程でしかないので、厳密な意味での「旅」とは言えないかもしれない。でも、こういう他にはないエモさを求めて、極稀に旅に出たくなる時はある。

 

そう考えると、旅ってやつは結局は何かのための行程でしかないのかもしれない。


深夜のアスファルトの上を、すっかり軽くなったスーツケースを引き摺る。キャスターが擦れて、乾きつつも不思議に重い音が鳴る。それを聴くためだけに次はいつ、どこへ行こうか考える。そんなのも悪くないだろう。